外国での急逝・国内での外国人死亡
海外旅行者や就労者、留学生などが増大する近年、日本の国際化に伴い、外国で病気や事故に遭遇するケースも増えてきました。最近こういった問い合わせも増えてきたのでこちらに紹介させて頂きます。
ご遺体の取り扱い
日本人が外国で亡くなられたとき、または外国人が日本国内で亡くなられたときは、それぞれの国で風習や規定が異なりますので、在外公館(大使館や領事館)への連絡、遺族の意思の確認が必要になってきます。
日本ではご遺体を火葬するのが一般的ですが、国際的には土葬が主流です。故人をご遺体のままで海外へ移送する場合にはエンバーミング(遺体衛生保全のための消毒・防腐処理)を施したうえでの移送が必要になってくる場合もありますが、国によっては、エンバーミングなどの遺体保存が出来ない国やご遺体での移送が認められない場合もあります。
また、亡くなった現地で火葬をする場合には、その国の在外公館に対して死亡の届出を行い、埋火葬許可証の発行が必要です。
亡くなった現地に故人の国籍があれば、現地での手続きが可能ですが、そうでないときには、在外公館を通じて故人の本籍地へ書類を送付しなくてはなりません。約2週間から1ヶ月ほどの期間を要すると言われています。埋火葬許可書が発行されなければ、遺族はご遺体の処置を行なえないのでその期間を考えると、ご遺体を移送するケースが多いようです。
基本的に、在外公館の職員が手伝ってくれるのですが、航空便や空輸の手配は遺族でしなければなりません。
必要書類
故人が帰国するには、その国の規定によっても異なりますが、以下のような書類が必要になります。
- 本人のパスポート
- 現地で発行される死亡診断書(死体検案書)
※ 日本国内で死亡届をする場合には和訳をしたものの添付が必要 - エンバーミング証明書(エンバーマー宣誓供述書)など
その他、「非感染症証明書」「納棺証明書」「遺体証明書」など必要なケースもあります。
移送手順
移送する国の規則については、領事館に確認します。
移送の際、納棺梱包や航空運送の手続きは葬儀社と領事館員などが行ないますが、遺族の航空機の手配は個人で行なわなくてはなりません。
また、到着後の自宅などへの搬送も必要ですので、現地の葬儀社と連絡を取り合う必要があります。
費用
ご遺体処理や海外移送にかかる費用は、高額になるケースもありますので、事前に確認することをおすすめします。
- ご遺体をエンバーミング施設に搬送した霊柩車・航空機費用
- エンバーミング処置費用
- 書類作成費用
- 遺体保管費用
- 代行手続き費用
- エンバーミング後の空港への搬送費用
- 棺、空輸ケースおよび納棺、梱包費用
- 空港から本国までの航空運賃 など
【参考】改訂 葬儀概論 著者:碑文谷 創 発行:株式会社 表現文化社